この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
NCD Risk Factorが世界の身長データを収集・公開しています。これを用いて世界の国別平均身長の分析をしている他、年推移をバーチャートレースで表しました。
目次
中国男性の身長は直近35年で8cm伸びている
下は19歳男性の平均身長(横軸)と1985年~2019年間の平均身長差(縦軸)を国別に表した散布図です。中国人男性の平均身長は176cmほどで特段高いわけではありませんが、直近14年間の伸び率で言うと8cmも伸長しており、これは世界の国々の中で最長となっています。考えられる原因として、経済が良くなったこと、成長ホルモンを投与した家畜を食べていることなどが指摘されています。
◆19歳平均身長と14年間伸長差の国別比較(男性)
◆19歳平均身長と14年間伸長差の国別比較(女性)
日本人男性の身長は平成年間に停滞し、東アジアで最下位となった
下は東アジア国の19歳男性の平均身長を年推移で表したものです。1985年東アジアで最も平均身長が高かった日本は、平成年間に朝鮮、台湾、中国に次々と抜かれ2008年以降は東アジアで最下位となっています。
◆東アジア国の19歳平均身長年推移(男性)
◆東アジア国の19歳平均身長年推移(女性)
成長期の伸長が最大はアフリカ内陸の2カ国ルワンダ、ジンバブエ
下は横軸に19歳男性の平均身長、5歳と19歳の平均身長差を縦軸に取ったものです。アフリカ内陸のルワンダの5歳の平均身長は96センチメートルで、19歳では166センチメートルと成長期の伸び率では最も高くなっています。一方、仏領ポリネシアは5歳で既に126センチメートルと早い成長を迎え、以降19歳までの15年間では50センチメートルほどの伸びとなっています。
◆5歳~19歳男性の身長差と19歳平均身長の国別比較
韓国男性は15歳で平均身長173センチ
下は東アジア国の年齢別の平均身長を比較したものです。ゲ・テ・チャガイ『朝鮮旅行記』やイザベラ・バード『朝鮮奥地紀行』など古い文献にも記されているように朝鮮系民族は身長が高いことで知られ、成長を阻害していた貧困が近年減少したことによって韓国人の平均身長は東アジアで最も高くなっています。
◆東アジア国の年齢別平均身長比較(男性)
地球の重力が平均身長に関係している?
完全な球形でない地球の重力は均一でなく、地域によって重力異常があることがわかっています。この差が平均身長の地域差に影響を与えている可能性があります。左下は米航空宇宙局(NASA)による重力異常を表した図、右下はNCD Risk Factorのデータを元に作成した平均身長のマップグラフです。比較すると重力が大きい地域は平均身長が低く、重力が小さい地域は平均身長が高い傾向が見られます。一般に身長は遺伝や睡眠時間、栄養(タンパク質等)、ストレスなどの影響によって決定するとされていますが、重力の影響も一定程度あると思われます。
◆上図は重力異常地図(Nasa)と世界の平均身長マップ、下図は男性の国別平均睡眠時間(ポラール)と国別タンパク質摂取量と平均身長
世界の平均身長年推移バーチャートレース
世界の国別平均身長(19歳)の年推移をバーチャートレースにしてみました。