日本の財政が問われる時に用いられる政府債務残高ですが、アメリカの一人当たりの政府債務残高を円換算したところ、22年に日本を追い越す見込みであることがわかりました。
一人当たりの政府債務残高をアメリカと日本、EUで比較する
まず米議会予算局(CBO)からアメリカの債務残高をダウンロードします。2022年の債務残高については米CBOが作成した予測データを用います。日本も同様に財務省「財政関係基礎データ」から1970年度以降の長期債務残高の推移をダウンロード、同じく22年は予測値です。次に世界銀行からアメリカの人口を日本の人口は内閣府「人口推計」から入手します。また円換算のため当月のドル円為替レートを日本銀行からダウンロードし表に並べ円換算しました。下表のようになりました。
以上の数値を元にグラフ化してみたところ、下図のようになりました。アメリカの政府債務残高が大幅に増加した理由は2020年のコロナ対策のために次元の異なる財政出動をしたこと、またそれによる景気振興でドル高になり円の価値が下がったためです。
これで「円の信認が~」と少なくともアメリカから言われることはないはずです。日本は債務を減らすことに神経を回すよりGDPを高める政策(宇宙開発投資、国土強靭化投資)に注力するべきです。
同様にドイツ、フランス、イタリアの政府債務残高と人口もeurostatからダウンロードし、グラフに合わせてみたところ下図のようになりました。
欧州からはまだチクチク言われるかもしれませんが、その時は「500兆1000兆だ」(五十歩百歩のつもり)と言い返せば良いと思います。