ウソをまき散らす藤巻健史氏の言説を指標を使っていちいち反論する

ウソをまき散らす藤巻健史氏の言説を指標を使っていちいち反論する

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 元モルガン銀行東京支店長で経済評論家の藤巻健史氏が、森永康平さんのYoutubeチャンネルに出演され、とんでもない量のでたらめを吹聴しているので、経済にうとい人たちが騙されないよう発言のいちいちに指標や実際のデータを用いて反論します。

  藤巻氏といえば、「日本財政は破綻する」「量的緩和でハイパーインフレになる」「1ドル200円に円安誘導すれば日本経済は復活する」「米国債を買いまくれ」が持論の経済評論家です。以前から日本経済を貶める主張が多い人物でしたが、動画の内容があまりに支離滅裂でした。動画を観たい方は最下部にリンクしていますのでご覧ください。

「GDPが日本はほとんど伸びていないという悲惨な状況なんです」

唯一、これだけ同意です。

「ところがすごく財政出動したおかげ政府がお金を使ってばらまいてきたということで、対GDP比で世界最悪の財政状況になってきている」

 下は日本とアメリカと中国それぞれの歳出の前年度比増加率(出典:財務省、CBO、中国国家統計局)です。日本の財政出動をばらまきというのであれば、中国とアメリカはもっとばらまいています。特に日本は1995年に起きた阪神淡路大震災、1997年に起きたアジア通貨危機、2008年に起きたリーマンショックへの対応こそしたものの、97年11月に成立した財政赤字を抑える事を宣言する「財政構造改革の推進に関する特別措置法」以降、2001年に政府がデフレ宣言しながらもなお、歳出が前年度比マイナスになる渋ちん財出を行っています。これを知らずに言っていれば無知、知っていてばらまきと言っていたら詐欺師です。

「対GDP比で比べるというのは、例えば船が沈没するかを調べるときに、たとえば1トンの水が船の中に入ったときに、漁船だったらすぐに沈没するけど、十何万トンのタンカーだったらビクともしないように…」

 需給ギャップを船のキャパシティーと入ってくる水に例えるのなら適当ですが、フロー(GDP)とストックの負債部門(債務残高)を船のキャパシティーと入ってくる水に例えるのは猛烈な違和感があります。それでもこのたとえが正しいというのであれば、入ってくる水の限界値(=債務残高の限界値)を言えるはずですので、言えないのであればホラを吹いているということになります。

「2013年黒田日銀総裁は量的緩和を始めたのですけど、それは彼がそれをやっていなかったらば、日本はその段階でデフォルトを起こしていた。ところが当事者たちはデフォルト嫌なので、危機を先延ばししたんですね・・・」

 その時点でデフォルトを起こしていたかは「それはあなたの勝手な妄想ですよね」で終わりです。またご自身で「(前編7:10)たしかに私も今のこの異次元の量的緩和をやった以上、財政破綻することはないと思う。だって必要であれば紙幣を刷ってしまえばよいのですから。」と言っているので日本の財政破綻についても否定しています。ではこの主張はなにが言いたいのでしょうか?債務不履行と延命措置できる選択肢を倒産寸前の会社が持っていた時に、債務不履行するはずだったが、当事者たちは倒産が嫌なので延命策を行ったんですね。と言っているように聞こえますが、これのなにが悪いのでしょうか?とっとと日本潰れろといいたいのですか?意味不明です。

「発行銀行券、日銀当座預金これはお金です。要するに(日銀が)お金をばらまいているということなんです。ということはGDP比でバランスシートがでかいということは、経済規模に比べて一番お金をばらまいている。アメリカの中央銀行(FRB)やヨーロッパの中央銀行(ECB)に比べてダントツにお金をばらまいちゃっているよということなんです。」

 日銀当座預金にお金をばらまかれても、我々が使うことはできません。金庫からお金を引き出して、がま口財布に入れているようなものです。また「GDP比でバランスシートがでかい」も意味不明です。

「今アメリカを中心にインフレが加速してきて、金利を引き上げなくちゃいけない一つは。それから、バランスシートを縮めなくちゃいけない。ばらまいたお金を回収してバランスシートを縮めなくちゃいけないっていう大問題が起きている。その二つともに、やっちゃうととんでもないことに日銀はなるんです。一つは、今唯一市中の金利を引き上げる方法は、ここ(日銀当座預金)の付利金利を引き上げることしかないといわれているんです~市中の貸出金利は当座預金の金利を引き上げることによって、日銀はインフレになったときに金融引き締めをやろうとしている。」

 藤巻氏の考えでは「アメリカがインフレ→日本がインフレ→景気が良い→金利を引き上げ」というメカニズムだと思うのですが、下の指標を見れば日本のインフレはわずか(しかも景気の上昇によるものではなく、コストが上がったことによるインフレ)なのに、金利を引き上げる意味はなにもないどころか、より景気が低迷するだけです。そもそも、金利を上げる状態まで景気を良くしたいから量的緩和をしたのだけれど、景気が良くならないから問題なのです。また、なぜバランスシートを縮めなくちゃいけないのかの理由は次の発言によるものだと思うので、下で反論します。

「現在の日銀当座預金残高が537兆円ってことは、1%金利が上がれば5.3兆円も金利支払いが増えるわけです。今日本銀行の収入というのは、年間1.4兆円くらいしかないです。これで1%の金利で5.3兆円の金利で1年間分の純資産なんかなくなっちゃう。」

 下は日本銀行の損益計算書(令和2年)です。日本銀行のウェブサイトで公開されているものです。動画ではバランスシートを用いていますが、フローの話をするなら損益計算書の方が適しています。まず藤巻氏がいう日本銀行の「収入」が、損益計算書でいう「経常収益」のことだとするならば、令和2年度で2.4兆円、「経常利益」なら同年度約2兆円です。また「純資産」は「法定準備金」が約3.3兆円、「当期剰余金」が約1.2兆円等合計で4.5兆円です。仮に非現実的ですが現時点で1%の金利が上がれば、確かに0.8兆円の赤字になりそうです。しかし、「1%金利が上昇する」ときは実際はどういう時か想像しましょう。1%金利が上昇するときは当然景気が良い時です。株価が現在より上昇することは容易に想像できます。日銀損益計算書の「その他経常収益」に記載されている「信託財産株式運用益」「信託財産指数連動型上場投資信託運用益」は投資信託の一種で、東証株価指数(TOPIX)に連動するよう買い入れされているため、景気が上がれば運用益が増加します。

 例えば、日銀第132回事業年度決算の損益計算書(2016年度)の投資信託運用益は約4000億円でした。また16年12月末のTOPIX終値は1,817円でした。その後第136回決算の計算書(2021年度、下)では1兆円の運用益を上げています。21年12月のTOPIX終値は1,928円でした。つまり100円の上昇で6000億円の利益を増やしていることになります。景気が良い時は株価はさらに上昇しますから、株価が200円上がれば1.2兆円の利益を生むので、純資産は4.5兆円+1.2兆円で5.7兆円ですから、これだけでも当座預金の付利利息は支払えます。

 また日本銀行が保有する国債の金利も大きな収入源です。日本銀行は約500兆円の国債を保有しています(令和3年9月現在・下画像)。うち10年債は約200兆円保有しており、10年債の金利は令和4年3月31日時点で0.218です(画像右下)。つまり10年債の金利だけで4360億円(4/28計算修正)あるわけです。

(日本銀行「国債等の保有者別内訳」)
(財務省国債金利情報)

 ただこんな面倒な計算などしなくても、足りなくなれば国債そのものを銀行へ売れば良いだけです。しかし藤巻氏は「暴落した国債なんか銀行が買うわけない」と国会の予算委員会で嘯いていましたが、そうでしょうか。銀行にとって資産として企業と国の債券を持つ場合、いくら景気が良くて金利が上がっているとしても、倒産リスクは企業よりは国の債券の方が圧倒的に低いわけです。いくら金利が低い国債だろうが、元本保証されているわけですから、むしろ割安でリスクの低い国債が買えるなら、銀行としては大助かりです。

 そもそも先に始まっているアメリカや中国のインフレの懸念はさておいて、日本のインフレだけつまみ出して日本のみ「ハイパーインフレ」「財政破綻」を吹聴し、結局何をしろと主張するかというと「アメリカの国債を買え」という結論です。アメリカ国債の暴落は「絶対しない」と妄信しているわけです。考えが偏りすぎです。

「もし消費者物価指数が2%あったら普通は政策金利2%行きますから・・・2%だったら半年で(日銀が)赤字になってしまう」

 消費者物価指数のインフレ率のことだと思いますが、2014年にコアコアCPIが1.9%まで上がりましたが、その年は大規模な金融緩和真っただ中でマイナス金利でした。もし2%になったとしても上の理由で赤字にはなりません。

「長期国債の利回りと値段というのはコインの表と裏で、長期金利が上がると(国債の)値段が下がっちゃうんです。ということは国債今こんなに買っているんです。ということは、もしアメリカの長期金利が上がったということでつられて日本の金利が上がったらば、莫大なる(国債の)評価損が出ちゃう」

 アメリカの長期金利(10年もの)が上がったことに連られたのかは確認できませんが、アメリカの長期金利と日本の長期金利(10年)が共に上昇するケースは確かに何例かあります(画面下)。一番大きく上がったのは直近2022年3月1日の0.186です。これで莫大な評価損でますか?また仮に今後もっと金利が上昇して莫大なる国債の評価損が出たとしても、前述の理由で銀行が買わないわけがありません。割安で国債が買えるならむしろ喜んで買うでしょう。なぜならいずれ景気が悪くなり、金利が下がる時にはまた評価額が上がるわけですから、リスクある融資をするよりは、国債を安く買って高くなったら売った方が確実に儲かります。

「こっち(日銀当座預金)の金利を上げなくちゃいけない時は、国債の金利も上がるから大丈夫だと黒田さん(日銀総裁)はおっしゃったんですが、これは嘘つきなんです、彼は。なぜかっていうと、今長期国債っていうのは固定金利ですから、10年もの0.2%を買ったら10年間0.2%しかもらえないわけです。でもこちら(当座預金)の支払いはどーんと増えちゃう・・・」

 まず日銀が所有している国債の内訳はウェブサイトで公表しており、内訳は以下の通りです。確かに藤巻氏の言う通り、固定金利の国債を99%保有していることは事実です。ただ例えば10年債の償還までの残存期間が全て10年ではありません。残り1年で償還する10年債も所有しているわけです。なので10年間その金利というわけではありませんし、その都度高い金利の国債を買い替えしていけば良いのです。さらに前述の投資信託運用益や国債の売却なども利用すれば利息は支払い可能です。

「簿価評価なんてのは米銀にとってみると前世紀の遺物であって、みんな時価評価で評価するんです。時価評価で評価したら日銀とんでもない赤字で・・・米銀なんか当座預金を閉鎖して帰っちゃう」

どこから突っ込んでよいのかわからないくらいぶっ飛んだご意見です。そもそも国交を結ぼうと鎖国中の日本にやってきたのはどこの国なんですか。そして日本で最初に通商条約を結んだ国はどこですか。そして戦前も戦後も日本に依存し続けている国はどこなんですか。

「日銀がいなくなったら長期金利20%~30%に上がっちゃう。日銀がいるからこそ、なんとか金利を抑えられているという事実を・・・」

 日銀がやーめた。といっていなくなることを想定できる小学生のような柔らかい頭がある人は、なんでも想像できちゃいますね。一方で、日銀がいる以上、長期金利は抑えられるということを御自身でも認めているわけです。この後の動画の結論からもわかるように、藤巻氏は日銀をなくして新しい中央銀行を作りたい願望を持っています。

「1998年ロシア危機というのがあって、あの時は利回り100%を超えました。あの時のような状況がくる可能性はありますよね」

 輸出項目の8割が天然資源という偏った通商を行う国は、その資源価格の下落によってその国の価値が大きく変動します。それにともない通貨の価値が低くなると、逆に言えば輸出企業にとってみれば儲かるチャンスなのですが、その産業を持たなければ好機を生かせません。このような国と、秀でた加工技術を持った日本を同等に比べること自体が日本を蔑む過少評価であり、看過できない言及です。

「積極財政派は専門家いないですよね」

 ローレンス・サマーズハーバード大学教授、ジャネット・イエレン米財務長官、ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン教授、浜田宏一東京大学名誉教授、イェール大学名誉教授、岩田規久男上智大学・学習院大学名誉教授等、積極財政を唱えている専門家の方は多いですが、眼前で言えますか?

「僕ら金融マンの時には長期国債とか株買っちゃいけないというのは常識だった。なぜかというと、こういうものを買ってしまうと値下がりしてしまう。それは通貨が暴落する理由になるから中央銀行はそんなことやっちゃいけませんよっていうのが、(僕らの)常識だった」

「彼(黒田日銀総裁)は金融のプロではなくて財務省の財務官だったわけで、財務省というのは法律家ですからね。やっぱり金融について一番知っているのは日銀マンですよ。私が知っている日銀マンはみんなとんでもないことしているって言ってますよ」

 藤巻氏は参院議員時代、参院予算委員会で「アメリカ国債を買って運用しろ」と主張していましたが、アメリカ国債なら値下がりは絶対にしないし、買い漁るのは非常識ではないようです。難解なロジックもしくは都合の良い考えをしています。あと「僕らの常識」という言葉も軽々に発していますが、過去の常識が現在の常識とは限りません。科学誌に掲載された論文理論の8割は10年後に使われていないという説もあるほどです。実際に起きている事象を鑑みながら、今もその理論が正しいかの確認作業はされてますか?

 このような藤巻氏の言及によって、藤巻氏が務めていたモルガン銀行や日銀マンの評価も下がっているのではないかと心配になります。

「一回は日本はXデーでガラガラポンをしなくちゃだめだろうなと思ってます。しなくちゃいけないよいうよりならざるを得ない。というのは日本はいろんな問題を抱えているんですけど、政治じゃ解決できないですね」

 トンデモ論を発する人物の象徴的な発言。ちなみに貴方は日本維新の会の前参院議員でしたね。

「日本というのは外国人の目からみてすごい社会主義国家。で社会主義国家が資本主義国家に敗れるというのは歴史が証明しているわけで・・・」

 外国人というのはおそらく英米仏などの西欧人という意味合いで用いていると思います。北欧や中国、ロシアなどから見れば日本はさほど社会主義には見えないので。で英米から見て社会主義国家と見える日本が英米に敗れるというのは事実かというと、誤りです。例えば1996年の日本のGDP(OECD)は人口3倍のアメリカにこそ負けてますが、イギリス、フランスのGDPを合わせてもまだ日本の方が上です。ということは時代によって勝敗は変化するので、藤巻氏は都合の良い見方をしているに過ぎません。また世界一の成長を遂げていながら公務員数は716万人(2015年公表数)と世界最多の中国共産党を資本主義国家(後編9分30秒)と認識しているところが都合良すぎです。

「資本主義(国)はどんどん成長しているわけです。今他の国は格差問題出てきているけど、日本は格差問題出る前の段階でね」

 下は厚生労働省による格差の指標を示すジニ係数の改善を遂げた推移グラフです。当初所得のままであれば中国やブラジルに匹敵するほど格差が広がってきているため、政府の再分配政策によって格差を縮めた推移が見て取れます。つまり、日本は資本主義によって格差が広がったため社会主義的な政策で格差を埋めている段階ですので、これも事実誤認です。

図表1-8-9 所得再分配によるジニ係数の改善の推移(図)

「日本では資本主義は終わったんではなくて、社会主義だから終わったんであって、きちんとした資本主義国家を作ればまた日本は再度成長できる」

 きちんとした資本主義国家って何ですか?

「それともう一ついうならば、このまま我々高齢者が死んじゃうとね、我々が作った借金ですよ、税収以上にばらまいてきたんですから。それを若い人達に残したまま死んじゃうわけですよ、このままいっちゃったら。そうすると若い人たちは借金を返すためだけに働かなければならない。だけど、ここで一度ガラガラポン(財政破綻?ハイパーインフレ?)があると、これはきれいな日本を若者に引き渡せるということなんです」

 きれいごとを言っているようですが、この後の動画でガラガラポンした後について、(後編26分42秒)「日本人は円がなくなっちゃうから大変なことになっちゃいますよね」(後編24分57秒)「国民にとって財政破綻であろうが、ハイパーインフレであろうが同じです。ビルの一番上にいて火事の時に、上から飛び降りて死ぬか、焼死するかの違い」と(笑)、きれいな日本どころか、何人もの日本人を殺すような策であると説明しています。

「ハイパーインフレっていうのは、究極の財政再建なんです。タクシー初乗りが1兆円になれば1025兆円なんて無きに等しいものになるわけですよ」

 結局ハイパーインフレにさせたいようです。ここが「ハイパー師匠」と揶揄される所以ですね。

「同じ生活レベルだったら誰も働かないですよね」

 個人的にはこの発言が藤巻氏の最も凝り固まった偏ったものの見方をしていて、重症だなと思っています。

「紙幣を刷ってやるということが、全般的に必ずやハイパーインフレになるからぽしゃるんですよ。やっちゃいけないことなんです」

 この動画を観ていた人の10割が正気かと思った彼の迷言です。ちなみに、このあとの動画で「ガラガラポン」の後どのように新しい日本にするか聞かれた時に、「新しい中央銀行を作り、新たな円を発行する」と説明していました。「ハイパーインフレスパイラル」の完成です。

「根本的な話はね、政府がお金を使うか、政府がお金を使えば増税ですよ、増税ということは民間が使うお金がなくなっちゃうってことなんです」

 「増税すればその分、民間が使うお金がなくなる」は正しいです。

「GAFAなんていわれる企業はアメリカが政府主導の国だったら絶対に産業生まれているわけないじゃないですか」

 Googleが生まれる前からexciteやらinfoseekなど検索エンジンはありましたし、日本産の検索エンジンもgoo、Hole in One、フレッシュアイなど生まれてました。Googleが残ったのは圧倒的な野望と資金注力によって、またアップルは当時負け組でしたが、iPodが起死回生となりました。日本のITも世界の最先端でしたが、円高やITバブル崩壊があり、さらにOSやブラウザー、規格などは独占寡占化する消費者傾向によって生存競争から脱落したに過ぎず、それは資本主義・社会主義関係ないと思います。

「別に需要っていうのは日本だけじゃないですからね。海外に売れば良いだけの話であって、それが海外に売れなかったというのは円が強すぎたからであって・・・」

「1ドル180~200円だったらなんでも売れるんだけど、円が実力以上に高かったから売れなくなった。政府がもっと円安にもっていけば良かった。」

 1985年12月末のドル円終値が202.75円の時、確かに貿易黒字は10兆円にも及び、当時のGDP320兆円の3%をも占めていました。ただし、それは中国が台頭する前の話です。それでも確かに200円まで安ければ景気は良くなるでしょう。ただマクロ的に110円前後を推移するドル円為替を200円まで安く誘導するには政府の為替介入が必要です。

 政府が為替介入をすれば外交問題に直面します。また日本銀行は日本銀行法によって自ら為替介入する権限を持ち合わせていないのでできません。同法を改正して日銀による為替介入を行うとしても、諸外国から見れば外交問題になることは必至です。為替を誘導することこそ社会主義的な政策で不健全です。

「(ハイパーインフレになったら)できることは3つ。一つは円という法定通貨をやめてドルに換える。でもこれは国の威信からするとやらない。そうすると二番目に考えられるのは昭和21年の預金封鎖の新券発行。ただこれは昭和21年ていうのは戦後ですけど、明治憲法下でかなり大胆なことができたけども、今それをやると私有財産権の剥奪だと思う。だとすると、私がハイパーインフレを抑える手段というのは、今の日本銀行を廃して、新しい中央銀行を作る新しい新日本銀行券を作る・・・それしかないと思うんですよね」

 そんな緊急事態の時になぜいちいち新しい中央銀行を作らなければならないのか理解し難い。万が一、ハイパーインフレになることがあれば新券発行すれば良いだけの話です。

「ただその間、日本人は円がなくなっちゃうわけですから、大変なことになっちゃいますよね。だからもう、政府と考えるとねまた暗い話になって申し訳ないけど、きっと出口はないんですよ。だとするならば、もう個人で自分を守るしかない状況になってきている。そのためにはドルを買うということしかないだろう」

 森永さんも我慢できずに笑っちゃってます。確かに日本人の多くがドルを買えばドル高円安になり、藤巻氏の所有するドル資産が上がり、なおかつ円安になるので日本経済としても悪くはありません。つまりは不安商法で自分のドル資産を増やしたいだけなんですね。ただ日本人が本当に藤巻氏の言う通りアメリカ国債をバンバン買いだすと、外国人による国債の大量購入を警戒したアメリカ政府から制裁が来るおそれがあります。

「それはね一種の火災保険と同じで、火事が起こる確率が1%だと思えば、そりゃ普通火災保険買わないのも見識ですけど、火事が起こる確率がね、20%30%あれば普通は火災保険買えるんですよ。私なんかもっと高い確率でこういう事態が起こると思ってますけど」

 確率をいうのであれば期間をいうべきです。日本が100億年後に破綻する確率は100%と私でさえいうのは簡単です。

というわけで、2本の動画はとんでもな内容でした(耐えられた森永康平さんは立派です)。詳しくは動画をご覧ください。

1件のコメント

  1. とよ

    報道特集の動画を見てモヤモヤと不安が止まらず、こちらにたどり着きました。やっぱり変ですよね。ノストラダムスの大予言を読んで不安だったときの高木彬光さんの解説ように、私の不安を払拭してくださって、本当にありがとうございます。ほっとしました。
    みんなを不安にして自分だけは金儲けしようとしているペテン師みたいな人ですね。

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