地震・雷・火事・噴火・事故・隕石で死ぬ確率

地震・雷・火事・噴火・事故・隕石で死ぬ確率

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 人が寿命を全うすることはとても難しく、多くは病気によって、また時には事件、事故あるいは自然災害によって命を落とす可能性もあります。では実際に自然災害での死のリスクはどれほどあるのでしょうか、統計データを元にその確率を計算してみました。

① 首都直下地震に被災して死ぬ確率は1870分の1

 プレートテクトニクス理論によれば、地震を引き起こす4つのプレートの境界に位置する日本列島は世界でも有数の地震多発地帯であり、地震のほとんどない大陸に暮らす人々と比較すれば地震によって命を落とす確率は高くなります。さらに耐震性能の劣る建物内で暮らしたり、関連死率が高まる住宅密集地、地盤が柔らかい土地や津波による被害を受ける沿岸部に生活圏を持つ人はなおさらです。

 震災予防の研究機関である政府の地震調査研究推進本部による確率論的地震動予測地図(下地図)では、今後30年間に震度6弱以上の地震が起こる確率が高い地域を濃い色で表しています。これによると、日本で地震が発生しない地域はないことがわかります。特に2010年時点で「今後30年のうちに70%の確率で起こる」と予想された「首都直下地震」では、政府は被害想定として死者約2万3,000人を算出しており、首都圏の人口4,300万人(国土交通省2017年の調査による)から、首都圏在住で死亡する割合は1870分の1となります。

 同本部の「J-SHIS Map」はGoogle マップのレイヤーを活用して特定地域の活断層の位置などを詳細に調べられるので興味深いです(下画像)。  

 一方、気象庁による日本付近で発生した主な被害地震記録によると、戦後からこれまでに死者が出た地震は計27回あり、1,000名以上の死者を出した1946年の南海地震、48年の福井地震、95年阪神・淡路大震災、そして死者1万9,729人、行方不明2559名という甚大な被害を出した東日本大震災を含め、戦後約80年間における地震による総死者・行方不明者数は計3万4,864名に上ります。これは日本人人口の約3,442人に1人の割合です。

② 落雷に打たれて死ぬ確率は75万分の1

(c) pixnio

 不慮の事故死 死因別 年次死者数で紹介したように、落雷は日本で毎年50万回ほど発生しており、人生を80年とすると、生まれてから死ぬまでに4000万回もの落雷が発生している日本で生活していることになります。そのため当たろうと思えば他のリスクよりは比較的高い確率だといえます。とはいえ屋内にいれば防ぐことができる天災でもあるため、落雷での死亡事例は年々減少し近年は年に1~2人となっています。仮に1年に2人の死者数と見て人口で割った場合、80年間で雷に打たれるリスクは75万分の1です。

 ちなみにWIRED NEWSの2013年の記事によると、米国海洋大気庁(NOAA)の落雷情報サイトが算出した確率では、1年で雷に打たれる確率は77万5,000分の1~100万分の1で、80年間で雷に打たれる確率は1万分の1、落雷に巻き込まれる可能性は1,000分の1とかなり高確率の結果だそう。これは米国の落雷の発生率が日本とは異なるからという理由でしょうか。

③ 火事によって死ぬ確率は1136分の1

総務省消防庁の消防統計によると、日本の火災件数は防災に対する啓蒙や家電の高機能化によって年々減少しており、2020年の火災件数は3万4,602件、死者数も同様に減少し1,321人となっています。この数値を基準に人口で割り、人生80年としてリスク確率を算出すると1,136分の1となります。

④ 火山の噴火によって死ぬ確率は310万分の1、但し富士山の大噴火は計算外

 まず死者が出る程の火山の噴火が発生する確率ですが、日本には111の活火山があり、世界の中でも火山噴火のリスクの高い国であることは知られています。気象庁の記録によれば18世紀以降に日本で噴石や火砕流、火山弾などにより10人以上の死者が出た火山の噴火は計21回あり、10年~30年の間隔でコンスタントに発生しているため、生きている間に死者が出る程の火山の噴火が起きる確率は1つまり100%ということになります。戦後の噴火で平均37人が犠牲になっており、それに基づき日本人口比を求めると、人生80年として生きているうちに被災する確率では310万分の1と算出されます。ただし、活火山近郊に居住している・していない、登山の趣味がある・ないといった重要な要素は含まれていない単純計算とご判断ください。

 一方、1707年の記録以降途絶え近年警戒されている富士山の大噴火や、箱根山、浅間山などといった人口密集地にある常時観測火山が噴火する確率は高まっており、山梨県富士山科学研究所によると、21世紀には中~大規模の噴火が5、6回あると想定すべきとしており、引き続き強い警戒が必要です。

⑤ 交通事故によって死ぬ確率は500分の1、但し高齢者はもう少し高い

Andy KreycheによるPixabayからの画像

 警察庁による交通事故統計によると、交通事故による死者数は高度経済成長期の1969~1971年をピークに減少し、バブル期に再び増加したのち、近年は前年度の死者数を上回ることなく、令和2年度は1970年ピークの1万6,765人から5分の1以下である2,800件まで減少しています。これは人口10万人当たり2.25人の割合で、これに基づき人生を80年と見た場合、一生のうちに交通事故によって命を落とす確率は500分の1となります。ただし日本に5,000万人いる65歳以上では、2020年に65歳未満の1.3倍である1,596件の死亡事故が起きており、これは10万人当たり3.19人の割合と高くなっています。

⑥ 隕石に当たって死ぬ確率は70万~160万分の1

(c) urikyo33によるPixabayからの画像

 日本スペースガード協会の調査によると、1913年から2013 年までの100年間に隕石の落下は世界で605回確認されており、ここから海も含めた地球全体では約4,000回ほどの隕石落下があったと推算できるそうです。ただ過去に隕石に当たって死亡したという伝聞はあるものの事実認定は難しく、2016年にインドで隕石に当たって死亡したと報じられた事例についても米NASAは否定しており、これまで人に当たって死亡したという事例は世界で一例も確認されていません。

 ナショナル・ジオグラフィックの記事によると、米テュレーン大学の地球科学教授スティーブン・A・ネルソン氏の研究結果では、人が一生の間に局地的な隕石、小惑星、彗星の衝突で死亡する確率は「160万分の1」で、地球全体に影響を与えるような巨大な小惑星または彗星の衝突によって死ぬ確率は「7万5000分の1」との結果になったとのこと。また天文学者のアラン・ハリス氏も同様の計算をしたところ「70万分の1」と出たそうです。

以上の自然現象に巻き込まれない確率は99.66%との結論になりました。

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