忘れてはならない韓国レーダー照射事件の記録

忘れてはならない韓国レーダー照射事件の記録

この記事を読むのに必要な時間は約 20 分です。

 「息吸うように嘘をつく」「火病」という特有の病気を持つ、などと云われ、近年でも竹島問題によって韓国政府や民族に対する評価は定着しつつある中、2017年に誕生した文在寅(ムン・ジェイン)左派政権になってからは特に、旭日旗問題やいわゆる「慰安婦」「徴用工」など立て続けに対日関係に火を着け、その民族特有の性質を十分に発揮しました。2018年12月20日に発生したレーダー照射事件も、日本の主張に韓国は強引に否定した上で論点を変えて逆主張する有様で、2022年現在も未だ解決されないままとなっていましたが、今年誕生した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領政権が歩み寄りどころか同問題がなかったことにする動きが出てきました(毎日新聞下記事)。このような理不尽が通用しないよう周知のため同事件を時系列にまとめました。

レーダー照射事件 日韓の時系列①

韓国側

日本側

 2018年12月20日、日本の防衛省の哨戒機P-1が、日本の排他的経済海域である能登半島近くの大和堆(やまとたい)漁場で、韓国の駆逐艦「広開土大王(クァンゲト・デワン )級駆逐艦」に一定時間、複数回に渡りSTIR-180レーダー照射される。

広開土大王

 12月21日 韓国国防部「わが軍は正常的な作戦活動中だった。作戦活動の際にレーダーを運用したが、日本の海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない」「同事項について(日本側に)説明したが、日本側に誤解がないよう十分に説明する」と言明。 (朝鮮日報)


 12月21日 韓国政府北朝鮮漁船の乗組員3人と遺体1体を北朝鮮側に引き渡した。(朝鮮日報)


同年12月21日 防衛省が同事件を公表する。

 12月22日 韓国海軍関係者「大和堆漁場で操業をしていたほかの船舶が『北朝鮮の漁船と推定される船舶が遭難したようだ』と通報したものと見られる。 韓国海軍がこの船を捜すために火器管制用レーダー(MW08と思われる)を作動させたことは事実だが、日本の哨戒機を狙う意図は全くなかった」「遭難救護のため、韓国海軍が平常時に作戦を展開している場所よりもさらに東進したのは事実だが、韓日EEZ中間水域内で発生したことだ」「韓日はこれまで意識的に軍事的衝突が起こらないよう神経を使ってきた」「日本の反応はやや過剰な面がある」と説明。(朝鮮日報)


 12月22日 防衛省が2014年に韓国も採択しているCUES(キューズ=海洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)において、船舶又は航空機に遭遇した場合には控えるべき動作として挙げられている火器管制レーダーの照射をしたとして、改めて遺憾の意を表明、韓国側に再発防止を強く求める

 12月23日 複数の韓国軍消息筋「東海で遭難したとの通報を受けて出動した駆逐艦『広開土大王』が船舶捜索のためのマニュアル通り、航海用レーダーと射撃統制レーダーをフル稼働していた」「射撃統制レーダー(MW08)は対空用ではなく、対艦用のモードで運用していた」「その後、日本の哨戒機が艦艇の方向に接近し、光学カメラを運用した」と説明。「追跡レーダーが(光学カメラと)共に稼働されたが、ビームは照射しなかった」として、「実際に日本の哨戒機を威嚇する行為はなかったことを明確にしたい」と強調した。韓国軍関係者は「遭難した船舶を見つけるため人道主義的な作戦を行ったと説明し、日本もその内容を知りながら問題提起を続けることは理解できない」「公海上で韓国海軍の活動を制約する意図ではないかと疑われる」「日本の哨戒機は艦艇が捜索救助作戦を始めてからしばらく後、接近してきた」「艦艇の上空を飛行するなど、むしろ威嚇的だった」「日本の哨戒機は国際商船共通網で海洋警察を呼び出し、通信感度も極めて低かった」「艦艇では海洋警察を呼んでいると認識した」と説明した。(朝鮮日報)


  12月24日 韓国国防部のイ・ジンウ副報道官「わが軍は人道主義的な救助のため、正常な作戦活動をしたのであり、日本側が威嚇と感じるようないかなる措置もしなかった」と説明した。また、「日本側が誤解している部分があれば、通常の手続きに従って両国の当局間で意思疎通や協議を通じて解消する」と述べた。「遭難した北朝鮮の船舶を捜索していた艦艇に向かって急速に接近した哨戒機を監視するため、映像撮影用の※光学カメラを稼働した」「光学カメラは追跡レーダー(※SRIR)と連動しており、カメラを稼働させると追跡レーダーも作動する」「わが海軍が日本の哨戒機を追跡する目的でレーダーを運用した事実がないことを明確にしたい」と説明している。(朝鮮日報)

※1 電子光学追跡装置(EOTS)のこと  ※2 STIR-180の誤植と思われる。

 国防部関係者は日本の哨戒機の搭乗員が無線でレーダーを照射した意図を問い合わせたことについて「通信感度があまりにも低くてノイズがひどく、われわれが認知したのは『コリア・コースト(ガード)』(海洋警察)との単語だけで、船舶を救助した際に周辺に海洋警察艦がいたため、海洋警察艦を呼び出していると認識していた」と述べた。(朝鮮日報) 


  

 12月25日 防衛省「海自P-1は、国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz及び243MHz)の計3つの周波数を用いて、「韓国海軍艦艇、艦番号971」と英語で計3回呼びかけた」と反論。

 また本題と無関係な「威嚇的な低空飛行」についても、「国際法や国内関連法令を遵守し、当該駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません」と説明。

 12月27日 1回目の日韓実務者協議を開催(テレビ会議方式で開催。日本側からは防衛省・外務省等が参加)。

 12月28日 防衛省STIR-180火器管制レーダーを照射された証拠となる動画をYoutubeに公開。

 12月29日 防衛省が動画を公開したことに対し、韓国国防省「客観的証拠とはみなせない」「日本のP-1哨戒機に対して射撃統制レーダー(STIR-180)の稼働はなかった事実は変わらない 」「深い憂慮と遺憾を表明する」と発表。(中央日報)


 1月2日 韓国国防部「これ以上、事実を歪曲する行為をやめ、人道的な救助活動中だった艦艇に対し威嚇的な低空飛行を行った行為について謝罪すべきだ」と逆主張する。(朝鮮日報)

韓国側発言の変遷と噴出する日本側の疑問・反論の数々

 21日の時点では、韓国国防部が「日本側に誤解がないよう十分に説明する」としていた。 24日の公式会見ではトーンが強くなり、その韓国の言い分は、 韓国海軍では船舶捜索のマニュアルがあり、そこには航海用レーダーと射撃統制レーダー(STIR-180)をフル稼働することが書かれている。STIR-180は光学カメラ(EOTS)と連動して動くため、朝鮮の船舶を捜索中に国籍不明の哨戒機が現れたので、撮影しようと哨戒機を追跡した(つまり連動するSTIR-180も稼働した)だけで、照射はしていない。 また日本の哨戒機の連絡に対しても、「通信感度があまりにも低くてノイズがひどく、われわれが認知したのは『コリア・コースト(ガード)』(海洋警察)との単語だけで、船舶を救助した際に周辺に海洋警察艦がいたため、海洋警察艦を呼び出していると認識していた」と説明。 加えて本論と外れて「艦艇の上空を飛行するなど、むしろ威嚇的だった」と論点をすり替える。 29日の公式会見では「日本のP-1哨戒機に対して射撃統制レーダー(STIR-180)の稼働はなかった 」と発言を変える。

◎ 日本の防衛省はSTIR-180レーダー照射の証拠動画を出している。
◎ レーダー照射はしていないというが、CUESでは照準を向けること自体、規範理念に反しているのではないか。
◎ レーダーをフル稼働させる船舶捜索のマニュアルがおかしいのではないか。
◎ そもそも、凪で波も穏やか、漁船が目視できる(もしくは漁船を救助中、救助済み)状態で、なぜレーダーを稼働する必要があるのか。
◎ 哨戒機が「計3つの周波数を用いて3回英語で呼びかけた」にも関わらず、「通信感度があまりに低くてノイズがひどく、誤認した」通信設備を保有するのは、軍艦として致命的ではないのか。仮にそうであっても、「SAY AGAIN」と言えばよいはず。
◎ また海洋警察艦を呼び出していると思っても、海洋警察艦との対話がない時点で、友好国であれば対応するはずだが、なぜ無視するのか。
◎ そもそも北朝鮮船が遭難した事実について、どうやって連絡を受けたのか。通報したとされる漁船はどうしたのか。なぜ日本に救難信号が届かなかったのか。
◎ 救出した北朝鮮船の種類について、救出した人数と国籍だけ明らかにして迅速に国に引き渡しており、詳細が一切不明。漁船と思えないアンテナがついていたのは何か。
◎ そもそも何メートルの高さにいようが、友好国との認識がある前提では「低空飛行が威嚇的」とは感じない。友好国との認識がなかった証拠になる。
◎ そもそも攻撃能力の極めて低い哨戒機が、攻撃能力の高い駆逐艦に「威嚇する」矛盾は感じないのか。
◎「レーダーの照射を行ったかどうか」という本来の質問の回答とは一見関係がないはずの「人道的救助」「正常な作戦」を何度も用いるのはなぜか。

レーダー照射事件 日韓の時系列②

 1月4日 韓国国防部が反論動画を公開(左は時事通信による日本語訳付き)

 動画は4分26秒で、そのうち漁船からP-1哨戒機を映した時間は約5秒。映像のほとんどが日本の防衛省が公開した映像。その中で、

  1. 人道的な救助作戦が進行中、日本の哨戒機が低高度で進入した。なぜ低空飛行したのか日本は回答しなければならない。
  2. 日本が国際法を順守したというが、事実であろうか。
  3. 広開土大王艦は日本の哨戒機に向かってSTIRを照射しませんでした。
  4. 日本の哨戒機の通信内容は明確に聞こえませんでした。

などと主張。日本は実務レベルで協議すべきと動画を終えている。

 1月6日 韓国国防部が日本語、中国語、フランス語、スペイン語、ロシア語の5カ国語で公開した。

韓国政府による反論動画の不審点一覧

  • 日本国防省が証拠として出した映像が全体の9割以上を占めるのに、それを無断で用いている
  • しかも無断で使用した動画に広告を挿入している
  • しかもその動画の中身は、まるで映画の予告編のような、恐怖心を煽るBGMを挿入し、韓国側の都合の良いトリミングをされた映像に改編され、印象操作をしている。
  • しかもその動画をYoutubeで紹介するサムネイル画像は、完全にねつ造された画像。
  • 主張1について、映像の中で、全長38メートルのP-1哨戒機の高度が150メートル以上あることを韓国自ら証明している。またなぜ「人道的な救助作戦」を何度も主張するのか。逆に怪しすぎる。もし百歩譲って「低空飛行」だとしても、近づいた理由は「不審船がEEZ内に確認されたから」とわかるはず。
  • 主張2について、日本は国際法より慎重な行動をとっていた。
  • 主張3が当問題の本題なのに、本論の反論がただ「照射していない」というお粗末な内容
  • 主張4について、素人でも「JAPAN NAVY」と判別できる。なぜ「SAY AGAIN(もう一度言って)」と応答しなかったのか。なぜ受信設備がポンコツで、韓国軍の聴力が一般市民以下であることをアピールしているのか。
  • この動画を5か国語で配信する判断。

レーダー照射事件 日韓の時系列③

 1月5日 防衛省幹部「BGMで煽っているだけで、中身がない」「艦番号が聞こえているのに反応しないなんてありえない」


 1月7日 韓国海軍制服組トップのシム・スンソプ海軍参謀総長が、クァンゲト・デワン所属部隊を訪問し「全部隊は外国の艦艇・航空機との遭遇など海上で発生しうるあらゆる偶発状況に対し、作戦例規や規定、国際法に基づいて即時に対応し、現場で作戦が終結するようにしなければならない」「すべての艦艇は作戦を遂行しながら様々な状況を同時に管理することができるよう、能力を備え、作戦の完全性を保障しなければならない」と指示した。(ソウル聯合ニュース)

 1月14日 2回目の日韓実務者協議を開催(シンガポールにて開催。日本側からは防衛省・外務省が参加)。

 1月15日 韓国国防部の崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官は「日本はわれわれの軍艦のレーダー情報全体について(開示を)要求した」と説明し、「非常に無礼な要求で、問題解決の意志がない強引な主張だ」と協議が解決しないまま終了した理由について説明した。(朝鮮日報)

 1月14日の日韓実務者協議で、双方でこの内容を非公開にするという約束をしていたが、韓国は翌15日それを反故にして公表。これについて、日本の防衛省が韓国の駐在武官を呼んで抗議した。これに対し、韓国は16日、「日本のメディアが実務者協議の終了前には報道しないとした事前合意を破って関連内容を報じたことについても防衛省に厳重に抗議し、再発防止を求めた」と発表した(朝鮮日報)。

 1月21日 防衛省「韓国国防部報道官は、翌15日に、『無礼』との外交的にも異例な用語を用いて、防衛省の提案を非難した上、同月14日の実務者協議の詳細について、事前の合意に反して、事実と異なる内容を一方的に明らかにしています。同報道官のこのような言動は、双方の信頼関係を損ない、率直な意見交換の支障となるもので、極めて遺憾であり、同月16日、防衛省はこのような言動が繰り返されることのないよう、強く求めましたが、韓国側からは、誠意のある回答が得られていません。

上述のような一連の韓国側の対応ぶりや、これまでの韓国側の主張が一貫しておらず信頼性に欠けるものであることを踏まえると、韓国側が事実とは全く異なる主張を繰り返していると結論付けざるを得ません。

このような状況においては、相互主義に基づく客観的かつ中立的な事実認定が困難であるため、これ以上実務者協議を継続しても、真実の究明に資するとは考えられません。防衛省としては、韓国駆逐艦による海自P-1哨戒機への火器管制レーダー照射について、改めて強く抗議するとともに、韓国側に対し、この事実を認め、再発防止を徹底することを強く求めます。」

また防衛省は、昨年クァンゲト・デワン韓国駆逐艦を3度撮影したときには、低空威嚇飛行の抗議がなされていないことも発表(写真左)。加えて同駆逐艦による火器管制用レーダーの照射を裏付ける探知音を公表した。 

 1月22日 韓国関係者「レーダー音は加工したもの」と反論した(朝鮮日報)

 1月23日 韓国軍合同参謀本部は「同日午後2時3分ごろ、(東シナ海の暗礁)離於島近くの海上で、日本の哨戒機がわが海軍の駆逐艦「大祚栄」 を明確に識別した状況にもかかわらず、距離約540メートル、高度約60~70メートルの低高度で近接威嚇飛行した」と非難。さらに「日本は今年1月18日、22日にもわが海軍の艦艇に対し近接威嚇飛行を実施した」として、「こうした事実について日本政府に再発防止を要請したが、きょうまた低高度・近接威嚇飛行をしたのは、友好国の艦艇に対する明白な挑発行為のため、日本の底意を疑わざるを得ず、強く糾弾する」と発表した 。(聯合ニュースTV )

同日午後、海上自衛隊の哨戒機による韓国艦艇への威嚇飛行を受け、在韓日本大使館の武官を呼び厳重に抗議した。 

 1月24日 韓国軍当局が証拠画像という大祚栄が撮影した写真を公開した(下)当初は映像を公開すると発表していた。また大祚栄は「経路を離脱せよ」「これ以上、接近するなら自衛権的措置を取る」などと警告通信を約20回行ったが、哨戒機は応答せず艦艇の上空60~70メートルで円を描きながら飛行したと主張した(聯合ニュース )。 

韓国政府による反論写真等の不審点②

◎ 相手に強く要求する民族が、映像を公開することから写真に変更するということは、映像が主張と異なることを証明すると判断したから以外にない。
◎ 写真の中に海が写っていないと地上60メートル以下か確認できない。しかし、全長38メートルの機体を縦にすると2機体分収まることから、少なくとも76メートル以上の高さにいることになる。
◎ レーダー画像も「200 ft」という数字だけで哨戒機が映っていない。
◎ 高度を示す「200  ft(フィート)=(60.96メートル)」のft前に空白があるのはなぜか。「2000ft」と表示された部分の最後の「0」を故意に消したのではないか。ただし、左寄せ表示、右寄せ表示によって、これは変ではない可能性がある。
◎ 昼なのになぜ赤外線?
◎ 日本に責められた以上のことをやり返さないと気が収まらないのは100歩譲り、「約」20回という雑な所。

 米国ジョージ・W・ブッシュ政府で大統領特別補佐官を務めたマイケル・グリーン氏が最近のメディア寄稿で「オーストラリアからシンガポールまでアジア国家のほとんどの政府は現在の日韓関係悪化の主要な原因は韓国にあるとみている」と指摘した部分を集中的に浮き彫りにし、韓国を相手にするよりも国際世論に訴える方がよいと主張した。

参考

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です