英語になった日本語(English words of Japanese origin)

英語になった日本語(English words of Japanese origin)

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 bushi、samurai、kabuki、noh、sushi、tempuraなど、古典芸能や日本独特の食文化がそのまま英語として使われる事には特別感動しないのに、意外な言葉が英語になっているとなぜか胸熱になります。ここに掲載した多くは英語版のWIKIPEDIAに掲載されていましたが、加えて特定の単語がどの程度頻繁に書籍に出現しているかを、1500年から2019年の間に印刷された米書籍計500万点の中からカウントしてくれる秀逸ツールGoogle Books Ngram Viewerを用いて、その語句の広がり方も調べてみました。

日本語が起源の英語

文化

  • anime(アニメ)
    日本のアニメはanimationが語源だが、animeというと特に日本で作られたアニメを指すそう。逆輸出された言葉の一つ。
  • futon(布団)
    外国人が日本へ旅行に来た時に発するくらいの使用頻度かと思いきや、日本の布団を語源とする英単語が既に作られていた。ただ英語圏で寝具はbed(ベッド)だし、そのベッドを構成する敷布団はmattress(マットレス)、掛布団はアメリカではcomforter(コンフォーター)、イギリスではduvet(デュベット)という。ではどういったものをfutonと呼ぶのかというと、日本式ベッドとしてよりも、下画像のようなものを指す言葉として使われている。木枠に座布団のようなクッションがついているソファー家具に対して使われているよう。Books Ngram Viewerによれば(下)、2010年ごろまではduvetよりfutonの方が書籍に多く収録されているというのが興味深い。
  • emoji(絵文字)
    パソコンユーザーの間では、アスキー文字の組み合わせで(^^)/のように顔の表情や動作を表す文化が以前よりあったが、20世紀末に登場した携帯電話の普及によって、より少ない文字数で感情や状態などが伝わるグラフィカルなアイコンが必要となり、iモードの開発に携わった栗田穣崇氏らによって作られたのが最初のよう。以降米国でもGoogleやAppleが2008年より絵文字を導入したこともあり、emojiは世界的な規模で広く認知されている。
Books Ngram Vierwerによる米国書籍の中でのemoji頻出度。2018年時点ではまだ増加傾向にある。

  • karaoke(カラオケ)
    昭和50年頃より特に居酒屋で普及した日本のカラオケも、いまや世界中で楽しまれており、IBISWorldによるとアメリカ国内だけでも約1,500件(2022年時点)のカラオケバーがあるらしい。
Books Ngram Vierwerによる米国書籍の中でのkaraoke頻出度。2004年には250冊ほどに収録されている。
  • bokeh (ボケ)
    主に背景や前景をぼかして撮影する手法のこと。ピントがぼける「ピンボケ」から。
Books Ngram Vierwerによる米国書籍の中でのbokeh頻出度。2013年にピークとなっている。
  • origami (折り紙)
    折り紙は必ずしも日本独特の文化だった可能性は高くないものの、贈り物や娯楽として発展した日本のものが最も欧米人の関心を引き、工芸品から本格的な芸術作品へと広がりを見せている。
Books Ngram Vierwerによる米国書籍の中でのorigami頻出度。じわじわと人気が上昇しているのがわかる。

食物

  • bento (弁当)
    米国版Wikipediaでは「日本ではお母さんがお弁当を作って子供たちが学校に通うのが一般的です。お弁当を作るのに時間がかかることがあるので、前夜に材料を用意し、翌朝、子供たちが学校に行く前にすべてを組み立てて梱包する母親もいます」と丁寧に書かれているものの、平成30年度の国公私立学校調査(文部科学省)によると、学校給食を実施している学校数は全国で3万92校で全体の実施率は95.2%、小学校で99.1%、中学校では89.9%とのことで、もはや一般的ではないのが切ない。とはいえ、お弁当箱にきれいに白米とおかずが入った様は世界では物珍しいようで、「まるでアートのよう」と今人気を博している
Books Ngram Vierwerによる米国書籍の中でのbento頻出度。まだ収録率ではごく少数だが、2018年に急増している。
  • umeboshi(梅干し)
    英語の意訳はsalted Japanese plums。ちなみに、南アフリカでは同様のスタイルの保存されたドライフルーツをアフリカーンス語で「メボ」「メボス」などと呼ぶ。これはオランダ貿易を通じて到来した日本の梅干しに由来しているそう。
  • miso soup(味噌汁)
    アメリカにも訪れた健康ブームによって、misoという調味料の認知はされつつあるものの、外国人から見れば茶色の液体の不気味さは拭えず、なかなか食べようとは思わないのではないか。ところが、実際は市民権を得ていることがBooks Ngram Viewerによってわかる。近年ではアメリカ人定番のスープであるクラムチャウダーとほぼ同等に書籍に掲載されている。
  • teriyaki(照り焼き)
    照り焼きは米国でも人気の調理法で、特にワシントン州シアトル市では2010年時点で「照り焼き」を名乗るレストランは83軒以上にも上るとのこと。
Books Ngram Vierwerによる米国書籍の中でのteriyaki頻出度。2010年にピークになっているのがわかる。

※書籍の収録数から英語圏で関心の高い日本の食文化を知る

豆腐の関心の高さが寿司を上回る。

ビジネス

  • tycoon
    ビジネス界の大物を指す言葉で「大君」が由来。マシュー・ペリー提督がこの言葉を本国へ持ち帰ったのが最初らしい。
Books Ngram Vierwerによる米国書籍の中でのtycoon頻出度。ペリー来航直後の1856年から増加、日露・WW1時期に減少と興味深い。

その他

  • shiatsu(指圧)
    第二次世界大戦中は非科学的な医療行為としてGHQに禁止されたが、当時指圧に多く従事していた盲目者の生計が奪われたことから、盲目者権利を訴えるヘレン・ケラーの助力により、禁止は撤回された。「指圧の心、母ごころ、押せば命の泉湧く」のフレーズで人気を博した浪越徳治郎氏の貢献もあって、現在では海外でも広く認知されており、世界的な健康ブームに乗って米ウォール・ストリート・ジャーナルでも「指圧が今人気」と記事に取り上げられたこともある。
Books Ngram Vierwerによる米国書籍の中でのshiatsu頻出度。浪越氏が人気TV番組に出演していた1988年ころに2度目のブームが起きている。
  • tsunami(津波)
    津波のこと。この言葉が使われる前は「Seismic sea wave(地震波)」という言葉が使われていたが、津波は地震以外の要因(地すべりや火山噴火、隕石等)にも使えることから用いられるようになったとのこと。
Books Ngram Vierwerによる米国書籍の中でのtsunami頻出度。マグニチュード9.1のスマトラ島沖地震が発生した2004年頃に急上昇している。
  • baka
    ばか。第二次世界大戦中米軍が神風特攻隊の乗る兵器「桜花」に対してこのように呼んでいた。
Books Ngram Vierwerによる米国書籍の中でのtsunami頻出度。2017年に急増している理由は?

書籍頻出率でみる日本語起源の英語の広がりまとめ

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