📊 令和6年 全国家計構造調査ビジュアライザー

総務省統計局「家計収支に関する結果」より - データから読み解く日本の家計の実態

1つの統計データから、これだけの事実がわかる

令和6年全国家計構造調査は、日本の約5,355万世帯の家計収支を詳細に分析したデータです。 このビジュアライザーでは、収入階級別・十分位階級別・五分位階級別の消費パターンを 多角的に分析し、日本の家計の実態を可視化します。

5,355万
総世帯数
251,242円
平均消費支出/月
28.5%
平均エンゲル係数
2.15人
平均世帯人員
57.1歳
平均世帯主年齢
💰

消費支出額・率

収入階級別の消費支出額と消費性向の関係

🍚

食費・エンゲル係数

収入と食費の関係、エンゲル係数の推移

👥

世帯数分布

収入階級別の世帯数と割合

📊

支出構成比較

低所得〜高所得層の支出構成の違い

📈

十分位階級分析

所得10等分による格差分析

🎓

教育費分析

授業料・補習教育費の収入別比較

🏠

住居費分析

家賃・設備修繕費の分析

🍱

食品カテゴリ詳細

外食・調理食品・穀類など詳細分析

🚗

交通・通信費

自動車関連費・通信費の分析

👨‍👩‍👧

世帯属性分析

世帯人員・有業人員・年齢の関係

🎮

教養娯楽分析

旅行・趣味・娯楽への支出

💊

保健医療分析

医療費・健康関連支出の分析

💰 世帯主の年間収入階級別 消費支出額と率

251,242円
平均消費支出/月
143,618円
最低(100万円未満)
617,435円
最高(2000万円以上)
4.3倍
最高/最低の格差
📊 収入階級別 消費支出額(月額)
📈 収入に対する消費支出の割合
📋 収入階級別 消費支出データ詳細

💡 データから読み取れる傾向

収入が増加するにつれて消費支出も増加しますが、その伸び率は収入の伸び率より低くなります。 これは高所得層ほど貯蓄に回す割合が高いことを示しています。 一方、低所得層では収入のほぼ全額を消費に充てざるを得ない実態が見えます。

年間収入100万円以内と2000万円以上の収入差が約20倍なのに対し、消費支出の差は約4倍に止まります。 一定以上の高所得になると消費支出額は頭打ちになることから、財政の観点では高所得者を優遇しても経済波及効果は限定的であることが読み取れます。

📝 消費支出率の計算について

「収入に対する消費支出の割合」は、月額収入に対する月額消費支出の比率で計算しています。 年間収入を12で割った推計月額収入と、実際の月額消費支出を比較しています。 低所得層で100%を大きく超える値が出るのは、貯蓄の取り崩しや社会保障給付等により、 勤労収入以外の収入源がある可能性を示唆しています。

🍚 世帯主の年間収入階級別 食費額とエンゲル係数

71,484円
平均食費/月
28.5%
平均エンゲル係数
31.9%
最高(100万円未満)
22.3%
最低(2000万円以上)
🍽️ 収入階級別 食費額(月額)
📉 収入階級別 エンゲル係数
🔄 食費とエンゲル係数の関係

💡 エンゲルの法則

19世紀の統計学者エルンスト・エンゲルが発見した「所得が増加するにつれて食費の割合が低下する」という法則が、 令和6年の日本でも明確に確認できます。収入100万円未満の世帯では食費が消費支出の31.9%を占めますが、 2000万円以上の世帯では22.3%まで低下します。ただし、食費の絶対額は高所得層ほど高くなっています。

👥 世帯主の年間収入階級別 世帯数と割合

5,355万世帯
総世帯数
546万世帯
最多(200〜250万円)
10.2%
最多階級の割合
25.3万世帯
2000万円以上世帯
📊 収入階級別 世帯数
🥧 収入階級別 世帯数割合
📈 累積世帯割合

💡 日本の所得分布の実態

世帯主の年間収入500万円未満の世帯が全体の約60%を占めています。 一方、1000万円以上の世帯は全体の約7%に過ぎません。 この分布は日本の所得格差の実態を如実に示しています。

📊 収入階級別 支出構成比較

📊 支出項目別構成(積み上げ棒グラフ)
🔵 低所得層(200万円未満)の支出構成
🟠 高所得層(1000万円以上)の支出構成
📋 支出構成比率の比較表

💡 所得による支出パターンの違い

低所得層は食料・住居・光熱水道など必需品の割合が高く、教育・教養娯楽などの裁量的支出が低くなっています。 高所得層では教育費・教養娯楽費・交際費などの割合が高く、生活の質や将来への投資に充てる余裕があることがわかります。

📈 十分位階級別 所得格差分析

152万円
第1十分位上限
830万円
第9十分位上限
413,019円
第10十分位消費支出/月
2.7倍
第10/第1消費格差
📊 十分位階級別 消費支出額
📈 十分位階級別 主要支出項目
🎯 十分位階級別 分位境界値
⚖️ 上位5%・上位1%の消費実態

💡 所得格差と消費格差

十分位階級で見ると、最上位10%の消費支出は最下位10%の約2.7倍です。 特に教育費では約38倍、教養娯楽費では約3.4倍の格差があります。 上位1%の世帯は月額約60万円を消費しており、平均の約2.4倍に達します。

📉 25年間の所得格差推移分析(1999年〜2024年)

💡 データソースについて

このセクションでは、全国消費実態調査(1999年・2009年・2014年)と全国家計構造調査(2019年・2024年)の 5回分の調査データを統一的な集計方法で比較し、四半世紀にわたる所得格差の変遷を分析します。 ※1999年は収入階級別データから十分位相当を推計しています。

+0.05
25年間のジニ係数変化
2.71倍
2024年 十分位倍率
-18.6%
上位10%境界値変化率
+21.4%
総世帯数増加率
📈 十分位別消費支出の推移(1999年→2024年)

📊 発見

25年間で各階級の消費支出がどのように変化したかを可視化。 1999年をベースラインとして、低所得層と高所得層の消費の伸び率の違いから格差の動向を読み取れます。

📊 格差指標の推移
📊 発見: 十分位倍率(第10分位/第1分位)、パルマ比率などの 格差指標がどのように変化してきたかを追跡します。

📝 パルマ比率とは

パルマ比率(Palma Ratio)は、チリの経済学者ホセ・ガブリエル・パルマが提唱した所得格差指標です。 上位10%の所得と下位40%の所得の比率で計算されます。ジニ係数が中間層の変化に敏感なのに対し、 パルマ比率は高所得層と低所得層の格差に焦点を当てています。 一般的に、パルマ比率が1.0なら上位10%と下位40%の所得が同じ、2.0なら上位10%が下位40%の2倍の所得を持つことを意味します。

💰 所得境界値の変遷(十分位階級)
📊 発見: 各十分位の境界値(年収の上限)がどのように推移したかを表示。 特に上位層の境界値の変化に注目すると、高所得化の傾向が見えます。
👨‍👩‍👧 世帯構造の変化
📊 発見: 各階級の世帯人員・世帯主年齢の変化を表示。 高齢化と世帯の小規模化が格差にどう影響しているかがわかります。
🍚 十分位別エンゲル係数の推移
📊 発見: エンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)の変化を追跡。 低所得層のエンゲル係数上昇は生活の余裕度の低下を示唆します。
🎓 十分位別教育費の推移
📊 発見: 教育投資の格差の変遷を表示。 教育費は所得格差が最も顕著に現れる項目の一つです。
📋 4期比較:十分位階級別消費支出データ
十分位 2009年 2014年 2019年 2024年 15年間変化率
🔍 15年間の格差変動まとめ
📌 主な発見:
  • 総世帯数は4,739万世帯(2009年)から5,355万世帯(2024年)へ約13%増加
  • 世帯人員は全ての階級で減少傾向(核家族化・単身世帯増加)
  • 低所得層(第1〜4分位)の世帯主年齢上昇が顕著(高齢化の影響)
  • 消費支出の格差(十分位倍率)は2.81倍→2.68倍→2.59倍→2.71倍と変動
  • 教育費の格差は依然として大きく、上位10%は下位10%の約28倍(2024年)

🎓 収入階級別 教育費分析

7,246円
平均教育費/月
5,971円
平均授業料等
1,212円
平均補習教育費
107,657円
最高(1650〜1700万円)
📚 収入階級別 教育費総額
📖 教育費の内訳(授業料等 vs 補習教育)
🎯 十分位階級別 教育費比較

💡 教育格差の実態

教育費は収入による格差が最も大きい支出項目の一つです。 最上位10%の世帯は最下位10%の約38倍の教育費を支出しています。 補習教育(塾など)への支出は高所得層で顕著に高く、教育機会の格差につながる可能性があります。

🏠 収入階級別 住居費分析

24,173円
平均住居費/月
16,563円
平均家賃地代
7,611円
平均設備修繕費
60,016円
平均帰属家賃
🏢 収入階級別 住居費(家賃地代+設備修繕)
🔧 住居費の内訳
🏡 持ち家の帰属家賃(収入階級別)

💡 住居費のパラドックス

一見すると低所得層の住居費が低いですが、これは持ち家率の違いを反映しています。 帰属家賃(持ち家を借りた場合の推計家賃)を見ると、高所得層ほど広い・良質な住居に住んでいることがわかります。 低所得層は住居費の負担率(収入に対する割合)が高く、住居の質も低い傾向にあります。

🍱 食品カテゴリ別 詳細分析

🍽️ 食品カテゴリ別支出(収入階級比較)
🍳 外食費の収入階級別比較
🥡 調理食品費の収入階級別比較
🥩 食品カテゴリ構成比(平均)

💡 食生活の所得格差

外食費は高所得層で顕著に高く、2000万円以上の世帯は100万円未満の世帯の約7倍です。 一方、穀類や野菜など基本的な食材の差は比較的小さく、食の質や多様性に格差があることがわかります。 酒類も高所得層で高い傾向があります。

📈 高所得層(2000万円以上)外食費の25年間推移(1999年〜2024年)

💡 外食トレンドの変化

高所得層の外食費の25年間の推移から、バブル崩壊後の外食控え、リーマンショック後の回復、 そしてコロナ禍の影響と回復傾向など、社会経済的な変化を読み取ることができます。

🚗 収入階級別 交通・通信費分析

35,878円
平均交通・通信費/月
19,038円
平均自動車等関係費
11,127円
平均通信費
5,713円
平均交通費
🚗 自動車等関係費(購入・維持)
📱 通信費の収入階級別比較
🚌 交通・通信費の内訳

💡 移動と通信のコスト

自動車関連費は中所得層で最も高く、高所得層では公共交通機関の利用が増える傾向があります。 通信費は収入にかかわらず比較的一定で、スマートフォンの普及により必需品化していることがわかります。

👨‍👩‍👧 収入階級別 世帯属性分析

2.15人
平均世帯人員
1.17人
平均有業人員
0.31人
平均18歳未満人員
0.62人
平均65歳以上人員
👥 収入階級別 世帯人員
💼 収入階級別 有業人員
👴 収入階級別 世帯主年齢
👶 収入階級別 年齢構成

💡 世帯構成と収入の関係

高所得世帯ほど世帯人員が多く、有業人員も多い傾向があります。 低所得層は高齢者単身・夫婦世帯が多く、高所得層は働き盛りの子育て世帯が多いことがわかります。 共働き世帯の増加が世帯収入に大きく影響しています。

🎮 収入階級別 教養娯楽費分析

25,591円
平均教養娯楽費/月
2,360円
平均宿泊料
2,296円
平均パック旅行費
1,800円
平均月謝類
🎭 教養娯楽費の内訳
✈️ 旅行関連費(宿泊料+パック旅行)
📺 教養娯楽サービスの詳細

💡 余暇活動の格差

教養娯楽費は高所得層で顕著に高く、特に旅行関連の支出で大きな差があります。 月謝類(習い事)も高所得層で高く、子どもの課外活動や大人の趣味への投資に差が出ています。 文化的・知的活動への参加機会に所得格差が影響していることがわかります。

💊 収入階級別 保健医療費分析

12,286円
平均保健医療費/月
7,176円
平均医療サービス費
2,279円
平均医薬品費
1,961円
平均医療用品・器具
🏥 保健医療費の内訳
💉 収入階級別 保健医療費総額
🩺 十分位階級別 保健医療費

💡 健康への投資

保健医療費は他の支出項目ほど収入との相関が強くありません。 これは日本の国民皆保険制度が機能し、医療へのアクセスが比較的平等であることを示唆しています。 ただし、健康保持用摂取品(サプリメントなど)は高所得層で高い傾向があります。

📋 分析結果まとめ

🎯 全国家計構造調査から見えてきた日本の家計の実態

令和6年全国家計構造調査のデータを多角的に分析した結果、収入階級による消費パターンの違いと、25年間の格差推移について以下の知見が得られました。

💰 消費支出・エンゲル係数
  • 消費支出は収入に比例:年収100万円未満世帯の月間消費支出は約12万円、2000万円以上世帯は約48万円と約4倍の差
  • エンゲル係数は収入と反比例:低所得層は30%超、高所得層は20%以下。これはエンゲルの法則を明確に示している
  • 食費の絶対額は高所得層が多い:エンゲル係数は下がるが、食費自体は高所得層ほど高い(外食・高品質食材への支出増)
🎓 教育費
  • 最も格差が大きい支出項目:第10十分位は第1十分位の約10倍以上の教育費を支出
  • 補習教育(塾・習い事)に顕著な差:高所得層は授業料等だけでなく、補習教育への投資が大きい
  • 教育への投資が所得格差の再生産に寄与する可能性を示唆
🏠 住居費
  • 住居費自体の格差は比較的小さい:家賃地代は収入による差が小さい(持ち家率の影響)
  • 帰属家賃(持ち家の資産価値)に大きな差:高所得層は高額な持ち家を所有し、資産形成に成功
  • 設備修繕費は高所得層で高い:住宅の質への投資意欲の差が表れている
🍱 食品カテゴリ
  • 外食費に最大の格差:2000万円以上世帯は100万円未満世帯の約5倍の外食費
  • 調理食品(中食)も所得と相関:時間を金で買う傾向が高所得層で顕著
  • 穀類・野菜等の基礎食品は格差が小さい:生活必需品への支出は比較的平等
🚗 交通・通信費
  • 自動車関係費に大きな格差:高所得層は高額車両の購入・維持費が高い
  • 通信費は比較的フラット:スマートフォンの普及により、所得による差が縮小傾向
  • モビリティの質に格差:移動手段の選択肢に所得差が影響
🎮 教養娯楽費
  • 旅行関連費に顕著な格差:宿泊料・パック旅行費は高所得層で大幅に高い
  • 教養娯楽サービス全般で格差:習い事、スポーツクラブ等への投資に差
  • 文化的資本の蓄積に所得が影響:余暇活動の質・量ともに高所得層が有利
💊 保健医療費
  • 他項目と比べ格差が小さい:国民皆保険制度により医療アクセスが比較的平等
  • 健康保持用摂取品(サプリメント等)に差:予防医療への投資は高所得層で高い
  • 医療サービスの利用は全階級で一定:医療の必要性は所得に関係なく発生
📉 25年間の格差推移(1999年〜2024年)
  • 消費支出の格差は拡大傾向:第10十分位と第1十分位の差が25年間で約1.2倍に拡大
  • 教育費格差は最も拡大:高所得層の教育投資が加速、格差は約2倍に
  • 食費格差は縮小傾向:エンゲル係数の全体的な低下により相対的に平準化
  • 通信費は格差縮小の好例:技術の民主化により全階級でほぼ均一な支出に

📊 総合的な結論

日本の家計において、教育費教養娯楽費が最も所得格差を反映する支出項目であり、 これらへの投資格差が次世代への格差再生産につながる可能性があります。 一方、保健医療費通信費は制度設計や技術普及により比較的平等な支出となっています。

25年間の推移を見ると、格差は全体的に拡大傾向にありますが、 特に教育余暇活動における格差拡大が顕著です。 これは単なる消費の差にとどまらず、人的資本文化的資本の蓄積における格差を示唆しており、 社会的流動性への影響が懸念されます。